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気分屋の探偵事務所…『アイス・ブルー探偵社』 依頼したことある人たちからは、 「ホント、気分って…」 って言われるけど、それで誰からも文句も クレームも言われたことがない。 だいたいさ、一度依頼をしたことある人は、 最初はあれこれうるさいくらい、 こまかな事を言って来たり聞いてくる。 しかし次の依頼からは、ほとんど 何も言ってこなかったり聞いてもこない。 逆に僕の方から、 「あのさ、金額とか、聞かなくていいわけ? めちゃくちゃぼったくるかもしれないよ?」 みたいなことを聞いちゃうくらい。 しかし大概、「どーせあんたのことだから、 好きな金額、勝手に決めて、好き勝手にやっといてよ。」 と言う…最初の時とは、まるで態度が違う。 なんなん?この変わりようは…? で、とりあえず調査をやって報告をして… 僕「金額だけどさぁ…いくらくらい貰えるのかね…?」 依頼者「逆にいくらか言いなさいよ。」 僕「んー…経費と合わせて…だいたい…○円くらいって感じだけど…。」 依「こっちの計算だと、もう少し上かと思うんだけど。再度計算し直しなさい。」 僕「マジで?そっかなぁ…?今回の調査…やってた気分的には…○円くらいの感覚なんだけどね…。んー…計算めんどくさいから、さっき言った○円でいいわ。」 依「気分の金額って…。あんたね、面倒言うんじゃない…」 僕「じゃぁそっちの計算だといくらなわけ?」 依「こっちの計算だと…△円くらいだね。」 僕「うっそーっ!?そんな高いの?マジで?それは高すぎないかね?ぼったくりでしょー。」 僕「そんな金額…気分が悪いわ…」 依「あんた何言ってるの?気分って…」 僕「やっぱ、気分的には、○円でしょー」 依「それじゃぁこっちの気分が悪いわ。△円受取りなさい!」 僕「いいじゃん!そっちの気分が悪くても、こっちの気分が良ければさっ。」 依「何それ?意味全然分からないんだけど。」 僕「じゃぁさぁ…こうしよう…。」 依「何さ?」 僕「お互いが譲歩しあって…お互いの折衷案…間を取って…□円。これならどう?どちらも気分的に妥協出来ない?」 依「あんたさぁ…気分って…。」 僕「いいじゃん…。気分的には、そんなもんだって!マジで。」 依「意味全然分かんないんですけど…」 こんな会話…ウチ…よくあるからね…。 |