そんな単純じゃないから。
「箱の中身が、どーなってるのかが分からない。」
そこで、
「どーなっているのか知りたい!」
「中身を確認したい!」
「中身を取り出したい!」
と思い、
「箱のふたを開けて、確認しようとする行為。」
これが「調査」って言うモノなんだけど。
ただね、見積もり依頼や、問い合わせの際、色んな人たちと話してて。
「誤解をしてる人があまりにも多いなぁ…」
って、つくづく思うんだよね。
「見積もりを出して欲しい。」
と言われれば、大抵の探偵事務所は、簡単に出せるハズなんだよね。
問題なのは、その際の問い合わせや、質問の仕方なんだよ。
例えば、よくありがちな問い合わせとして。
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
と、質問する人たちからしたら、何ら過不足も無い質問や問い合わせを行っているように思えるかもしれない。
だけど、これって実は、問い合わせを受ける側からしたら、物凄く見積もりを出すにしても、あまりにも漠然としてて、これだけじゃ、答えようも無かったりするモノなんだよね。
じゃぁ実際にあった実例を挙げるとすると。
この実例って、ウチの直接の案件ではないんだけど。
依頼者は、あるAという人物を訴えることを前提に、弁護士に相談をしてて、色々進めて行ってる中で、裁判となることになったんだ。
で、いざ裁判…ってなったとたん、Aは姿をくらましたわけね。
今まで住んでた場所(自宅)から姿を消したわけ。
そうなると、裁判所からの郵送物は、今までの住所に送っても、本人には届かないってことになるので、本人にその旨が伝わって無いってことで、訴えようにも、どーにもこーにも…。
通常は弁護士さんの方でも、単純な転居だけの場合なら、転居先を突き止めることは可能なんだけど。
対象によっては、逃げてるつもりではなく、たまたまそのタイミングで、単純に引っ越しを行っていただけ。
ってこともあるのね。
そー言った対象の場合は、その単純な方法を行うだけで、あっさり転居先が見つかる場合もあるの。
しかし…中には、そーでもなく、ホントに逃げてしまってる…って対象もいるわけで。
そーなってしまうと、その単純な転居先を突き止める方法では、どーにもならない。
まず、この段階で、1つ目の箱が出てくるんだけど。
「単純な転居先調査を行うだけで、新たな転居先が突き止められるのかどうか。」
と言った箱がね。
この箱を空けると言った行為を行っただけで、
当然、弁護士さんにしろ、
「箱のふたを開けて、確認しようとする行為を一つ行うにつき、○円です。」
ってなるハズなんだよね。
で、箱のふたを開けてみて、そこに目的のお宝が入っていれば、それで終わり。
しかし、箱のふたを開けてみたはいいが…
「空っぽ」
ってコトもあり得るわけで。
そう。この場合、
「箱の中身が、目的の宝が入っているのかどうかとか。
想像とは全く違ったモノが入っているのかどうかとか。
それとも…空っぽであるのか。
と言ったことは関係なく、
箱のふたを開けると言った行為そのものが、『調査』と言ったことになるわけね。」
だから、
「この箱のふたを開けて、確認しようとする行為を一つ行うにつき、○円です。」
って感じに、見積もりは出せても…。
その後、その案件の担当の弁護士さんの方ではこのままでは、どーにもならない…。
ってことで、その依頼人は悩んだ末、B探偵事務所に相談をし、依頼人とB社との話し合いの末、色んな調査を行ってみたんだと。
Aの勤務先で張り込んで、Aの帰宅時に追跡を行い、住所を突き止めようと思ったが、依頼人が指定した調査決行日時に限って、たまたまAは出勤してなかったとか…。
とにかく、
「色んな箱のふたを開けてみても、どれもこれもが、空っぽだったり、いつも同じ欲しいモノとは違ったモノばかりが、入っていることばかり。」
ここでも、いくつもの箱が出てくるわけで。
あの箱のふたを開けてみたり、この箱のふたを開けてみたり…ってことを、
「この箱のふたを開けて、確認をしようとする行為を一つ行うにつき、○円です。」
って感じに、あれこれ思いつく箱のふたを片っ端から開けまくったってことだね。
ここで僕が言いたいのは、
「『これ!』って思う箱がいくつも存在している可能性がある場合、最初に手にした箱のふたを空けるだけで、終わるのかもしれない。
もしかしたら2つ目,3つ目の箱のふたを開けて、ようやく目的の宝が手に入ることとなるのかもしれない。
または…依頼人から提供されたどの箱のふたを開けても、それら提供された箱の中身は、どれもが依頼人が欲しい目的の宝が、そもそも入っていない。
と言ったこともあり得るの。」
通常、大抵の探偵事務所は、
「ア」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「イ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「ウ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
ってな感じなハズ。
その箱の構造によって、金額は様々。難易度や状況や、使う道具やリスクや手間などにって変わってくるわけで。
(ちょっと話は飛ぶけど。)
で、最近の探偵事務所の主流は、
「どの箱のふたをお開けしますか?」
と言った感じに、依頼者が、どの箱のふたを開けるかを選択…
「依頼者に選択させる。」
ってことで、その依頼者が選んだ箱の中身が何であれ、
それを選んだ責任は、依頼者の側に存在するってことになり、
選ぶ順番次第で、金額が変わってきちゃうってことにもなるんだよね。
もし「ウ」に目的の宝が入ってたとする。
依頼者が、いきなり「ウ」を選んだ場合、料金としては、「ウ」だけの出費で済むんだけど。
しかし「ア」→「イ」→「ウ」…
と言った順番で依頼者が選択したら…
「ア」+「イ」+「ウ」
の料金となってしまうわけで。
また依頼者側からの情報とか、手がかり次第で、箱の数が増えたり減ったりもするし、関係無いと思われる箱をその段階で、排除することも可能にはなって行ったりもするんだけど。
「ア」、「イ」、「ウ」と言った箱があるけど…
「ア」と「イ」の箱のふたは、開ける必要が無く、いきなり「ウ」の箱のふたさえ開けてしまえば終わるんじゃないのかな?
ってね。
または、依頼者から提供された「ア」、「イ」、「ウ」の箱、どの箱にも、提供された箱の中身は見当違いのモノであったり、空っぽである可能性も無くも無いわけで。
だけど、それを提供した箱と、その箱を選択したのは…依頼者なわけなので。
よく、「この日のこの時間、浮気してるハズだから。とにかくこの日のこの時間、追跡監視をして、浮気の証拠を押さえて!」
と、指定の日時に調査を行ったが、何ら異性との接触も無く、帰宅して終わり。
って言うこととかあるよね?
この場合、依頼者が提供した箱のふたを開けたが、空っぽだった。
ってのと同じだよね。
依頼者から提供された箱のふたを開けて、中身を確認し、取り出す行為…
これが「調査」とかだったりするわけなのよね。
提供された箱の中身が、例え空っぽであったとしても、それは提供した側が提供した箱が問題であって、
「この箱を開けてみる行為を一つ行うにつき、○円です。」
ってことで、どーしたって得たい宝が得られなくても、○円は発生してしまうわけね。
だって「探偵事務所」って言うのは、
「依頼者の指示に従って、指示された開け方や指示された道具や、指示された人数で、指示された箱のふたを指示されたように開けようとし、その開けた結果(中身)が、どうであったのかを報告する。」
って言う考え方が最近の主流なんだよね。
言い換えれば、「問題があれば、(依頼者の)指示の仕方と、提供され指定された日時、日数や情報に問題があるって事ですよね?」
といった具合に、『その方法じゃ、何の成果も得られるわけがない。』と分かっていても、
『客に言われるままとりあえずやる。』結果として、やっぱり何ら成果を得られなくても、
『それが契約。何か問題あります?契約、ちゃんと守ってますよね?』
ってな感じなのが、とにかくこの業界の主流なのね。
「探偵に1週間調査を頼んだのに、大した映像も証拠も押さえてもらえず、金だけ沢山とられた!何の結果も無いのに、金だけ取られた!」
って言ったこの業界に対するクレーム話ってよく耳にするけど、こう言ったケースの場合、大抵は…そもそもの、一般の人たちの誤解と勘違いが原因だったりするケースが多いんだよね。
「提供された情報を元に、指示通りに、コトを行う。」
って言った契約を結んでるハズなんだけど。
ってコトは、そもそもが、指示された日時や期間中に、浮気をしてくれなきゃ、どこの誰であれ押さえられるわけも無く。
ってコトは言いかえれば、この場合の調査の結果は、「該当なし」
と言ったモノが結果。これが結果なんだよね。
ってコトは、ちゃんと結果は出てるのね。
ただ…依頼者が求めていた結果とは違っていた。ただそれだけなんだよね。
(どちらかって言うと、業法が出来てから、この傾向って強まってきてる感じがするな…。
「下手にアドバイスや提案をして、その結果によって、何らかの責任を余分に負わされたら堪んない。」
って事で。)
「ア」、「イ」、「ウ」…どの順番で開けるのかって問題もあれば、そもそも提供されたこれらの箱そのもの自体に、依頼者が想定してた宝が入っているモノであったのかどうか。
ってトコ次第で、金額って変わってきてしまうハズなんだよね。
(僕個人としては、何も知らない素人の人に対し、ちゃんと話をして、アドバイスや提案、説明はすべきだと思うし。
みんな納得してくれるまで、とことん説明したり、お互い質問しあったりと、とにかく手間暇惜しまず行うべき。
そうした中で、お互いが納得の上での合意なら、誰もどんな結果になっても、何か問題になったりしないハズだけどな。
最近の主流的な考え方って、僕は合わないな。)
話は戻って。
まぁそもそも、ウチの直接の案件ではないので、その辺りの経緯とかそー言うのは僕にはサッパリ分からないんだけどね。
そうこうしてる内、その依頼人は、どの箱を用意しても、どの箱のふたをB社に開けてもらっても、思うような宝を手にすることが出来ない苛立ちからか、B社に対し不信感を持つようになったんだとさ。
で、また悩んだ末、別のC探偵事務所に相談し、今度はC社に依頼をすることになったみたい。
この依頼人は、これまでの経緯を、ちゃんとC社に話をだったので良かったんだけど。
もしそーではなく、
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
「他社に頼んでたけど、全然ダメで。お宅ならどうです?とにかくいくら?」
だけしか言わない人であったのなら、恐らく、
弁護士さんやB社が、さんざん手をつけて、中身をすでに確認している箱を、同じように確認する作業を繰り返し行うことになってたハズなんだ。
何故なら、「調査の基本は、まずはこの箱のふたを開けてみて…」
って言うのがセオリーだからね。
そう。C社にしてみれば、既にふたを開けて、中身を確認済の箱が存在しているのかどうか。
って言うことを、その人が話してくれてなきゃ、知らないわけだからさ。
どの箱も一切、手をつけていないのか、どれどれは手をつけてるが、どれどれはまだ手付かず状態なのか。
これまでの経緯を教えてもらえなきゃ、同じことの繰り返しになってしまうわけだからさ。
だから、どんな調査にしろ、「これまでの経緯」ってものを話すのか、話さないのか。
って、僕ら業者の側よりも、実は、依頼を考える人にとっては重要なんだよね。
金額だって、かなり変わってきたりするんだからさ。
二度手間三度手間を防ぐことにもなるわけだからさ。
話は戻って。
この依頼人は、ちゃんと正直に、これまでの経緯も全てC社に対し、相談や問い合わせの際、話をする人で。
だから弁護士さんやB社が手をつけてる箱の他に、まだ残っている箱が無いのかどうか…依頼人の人と、色々話した末、一つの残っている箱を見つけたのね。
Aは依頼人からは逃げているとは言え、携帯電話で会話をすることは可能であり、呼び出して、ちょっとくらいの話はすることは可能とのこと。
で、いずれかの場所に呼び出して…ってコトは出来るらしいのね。
そこで、呼び出した後、追跡を行い、住所を突き止める。
実はこの方法、どうやらB社でも一度、行っていたらしい。
ただその時、依頼者の想定や想像とは全く違った現れ方と帰り方をした為、あまりにも想定外&複雑な帰宅の仕方…
様々な交通手段を駆使して…ってことで、最後まで追い切れず、一旦は諦めた方法だったらしい。
まぁそれなりに、
「突き止められたらマズイ!」
って思ってるわけだから、ヤッパ警戒心もあるわけで。
そりゃまぁ…やるヤツは、それくらいのことまではするわな…。
で、再度、C社がその方法を行うことになったわけさ。
ただ、前回B社が行った時と、C社の時との違いは、B社のやった時の状況ってものが、多少なりとも分かってての「調査」なわけで。
「とある箱のふたを開けてみたら…中に、また更にいくつも、複雑な構造をした小さな箱が入っていた。」
と言ったのと同じだよね。
そう。ここで言いたいのはね、
「とある箱のふたを開けたはいいが、更に…また箱が入っている…ってコトもあるのよね。」
ロシアの「マトリョーシカ人形」の様に。人形の中に、また人形。
こればっかりは、やっぱり…ふたを開けてみなくちゃならない。
あともう一つ。
箱のふたを開けようとするにしてもね、どんな道具,カギを使うかによって、ふたが開く開かない…ってこともあったりするのね。
たぶんだけど、依頼人とB社って言うのは、元々そこまでのヤヤコシイことをするとか、しでかすような状態ではないと思ってたんだと思う。
で、「単純に、一番安上がりな道具を使えば、簡単にこの箱のふたは開くハズ。」
って思って、その安上がりな道具を持参して、箱のふたを開けようとした。
が…開けきることが出来なかった。ただ、チラッとだけ、箱の中に、更に箱っぽいのが入ってるのが見えた。
ってことで、依頼人とB社との間で、それらについて話し合って…この箱のふたを開けるのは大変だし、開けても、また中の箱を更に開ける必要があるってことで、協議の上、諦めたんだと思う。
で、ここで、あともう一つ…って言うのは、その箱の状況とかによって、その箱のふたを開けるのに適した道具って言うのは、違うんだよね。
またその適した道具って言うの次第では、金額も変わってくるってこと。
例えば、
「この箱のふたは、一人で簡単に開けることが可能。」
ってモノもあれば、
「どーしたって、一人では無理!○人は必要!」
「この道具がなきゃ無理!」
ってコトもあるのね。
となれば、
「ア」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「イ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「ウ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
と言ったことと論理としては同じなわけで。
同じ箱であっても、ふたや箱の構造次第では、金額だって違ってくる。
場合によっては、このケースの場合の様に、
「B社が、一度やっているから、この箱の構造の一端が分かった。」
「だからC社は、その時の調査で得られた情報の一端を元に、この箱に適した道具や人数を前もって揃えなきゃ、この箱のふたは開かないってことが分かった。」
って感じに、
「とある箱のふたを開けたはいいが、更に…また箱が入っている…ってコトもあるのよね。」
みたいに、実は何らかの…それなりの事前調査ってモノを行わないことには、このふたを開けることすらできない。
ってケースもあるわけで。
まぁ言ってみれば、二重構造の…って言うか、カギが2つも3つも付いている箱であった。
って感じにね。
いきなり突如調査をやって、いきなりあっさりふたを開けれる箱もあれば、2,3度繰り返さないと、ふたを開けることが出来ない箱ってモノも存在するのよね。
「箱の蓋を開けて、確認しようとする行為。」
これが「調査」って言うモノなんだと、最初に書いたように、
最初、、依頼人とB社との間で、すぐに諦めてしまった箱。
実はこの箱は、2,3度、その都度開け方を変えたりしながら繰り返さないと…ふたを開けることが出来ない箱であった。
ってことなんだよね。
それを一回やっただけで、
「お金と時間がかかる。」
って事で、話し合いの末諦めてしまった。
ってコトなんだろうね。
で、で、話は戻って。
僕が知ってるのは、ここの部分だけなんだけど。
実は、僕が関わったのは…このC社の応援で、関わっただけなんだ。
んなわけで、B社がチャレンジして、その後、依頼者からのB社がやった時の情報と…C社だけで行った際の情報を元に…僕の応援要請が必要…って事となって、僕が呼ばれたんだとさ。
「とにかく、これまでの経緯として、こうこうこう言う感じで…で、過去のパターンとしては、大抵、こう言った感じで現れて、こう言った感じで帰って行くって事までは分かってるんだけど。
そこからが…前回の感じからすると、更に…その後、こう言った動きを行って…ってな感じなんだよね。で、前回は、更にそんな動きをするって言うことまでの情報は無かったんで。
そこで…こうなると、そう言った動きをされた場合のへの対処が必要…そこを更に補うには…ってことで、キミを応援要請したわけ。
だから、これらのコトも全て頭に叩き込んで、対象の行動予測して、対処して欲しい。」
って言われ、やったんだけどね。
んなわけで、まぁ…ホント、無茶苦茶な動きの対象で、かなり奇跡に近いって感じで、とあるマンジョンまで追ったのね。
が…が…このマンション、オートロックのとんでもないマンションで。さすがに、かなりその日は長時間、追跡しまくってたので、これ以上は…。
ってか要は、マンションはどこであるかは突き止めた。
(ぶっちゃけ、想定外の県外…遠方のマンションだった。)
が、どの部屋に入ったかとかは、外からでは確認不能。当然中にも、一緒に入って行くわけも行かず。
だって、ひたすら遥々、長時間…僕も仲間も、あっちゃこっちゃで姿をさらしまくってるわけで。
ここで、もしバレたら、またどっかに引っ越しされて、一からやり直しになる可能性も無くも無いし。
目先のことを考えたら、部屋番号をその時、確認出来なくも無かったけど、目先の損得ではなく、先々の展開までのコトも考えて…
って言うか、C社も全く同じことを考えてたみたいで、
「ここで怪しまれたりバレたら、元も子もなくなる。またどこかに逃げられる可能性もあるから。それでは見つけた意味が無い。
ここまで来れば、後日、いくらでも部屋番くらい分かるから。
依頼者の立場を考えたら、逆にこの場で無理して判明させるより、後日、他のことで判明させた方がいいハズ。」
ってことで、そこまでやって終了に。
この後については、僕はもう関係ないから、知らないけど。
たぶん、後日何らかの箱のふたを開ける…って行為を行って、部屋番までを突き止めたんじゃないのかな?
結局、僕がやって後、更に箱の中には箱があった。
ってコトなんだ。
って考えればさ、何故このケースを、実例として挙げたのかって言うと、
とにかく、いくつも様々な要素が詰まったケースと言えるからなんだよね。
複数の箱、様々な種類の箱、箱の中にはまた箱があったり、何重にロックがされている箱が出てきたり。
実は…聞いたとこによると、たまたま依頼人からの調査指定日に、調査をやったら…自宅には帰らず、浮気相手(?)と、合流し、そのまま泊まりがけの旅行に…ってコトもあったらしい。
さすがにその時は、
「いつまでの旅行となるか分からないので、これにて終了して欲しい!」
って言う依頼人からの指示に従って、途中で追うのを止めたってコトもあったとかとか
まぁその時も、
「箱の蓋を開けて、確認しようとする行為。」
これが「調査」って言うモノなんだけど。
しかし、それでもやっぱ、
「この箱を開けてみる行為を一つ行うにつき、○円です。」
ってことで、
「箱の中身が、目的の宝が入っているのかどうかとか、想像とは全く違ったモノが入っているのかどうかとか、それとも…空っぽであるのか。
と言ったことは関係なく、箱のふたを開けると言った行為そのものが、『調査』と言ったことになるわけ。」
まぁたかが住所の突き止めるってだけで、ここまでの状況に…人も、なかなか無いけどさ。
(でもたまぁに…あるんだよね。もっと複雑なのがあったし…。)
で、話は戻りまくって。
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
って問い合わせや、見積もり依頼があったとする。
そんなこんなで、大抵の探偵事務所は、
「ア」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「イ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「ウ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
と言った料金表はあっても、それぞれのケース次第…ってコトもあるわけで。
ウチの場合だと、それなりに話をして。
それで、あれこれ話しあったりして…って感じになるんだけど。
だけど、探偵事務所の中には、一番安く済むケースのでの料金を言うってとこもあれば、
(一番安く済むケースのでの料金を言ってるとこの場合は、大抵…
いざ契約を交わす…って時に、そこでようやく詳しく話を聞いて、
「あっ、そんな状況なの?まさかそんなんだなんて聞いてなかったから。それだったら…もうちょっと高くなりますわ。簡単な調査としか思ってなかったので。それ早く言って下さいよ。」
ってなって、契約直前に見積金額がいきなり上がってしまう…とか。)
逆に、一番高くなってしまったりするケースを想定して、料金見積もりを出すトコもある。
または、「○円~○円くらい…」と言った言い方のとこもあれば、
「○円以上…って感じかな?」って言い方のトコ。
とにもかくにも、様々なんだよね。
結局のところ、
「もっとあれこれ詳しく話を聞かなきゃ、色んなことが考えられすぎて。」
「やってみないことには分からない。」
と言った感じになってしまうんだよね。
「特に、メールの人の場合だと、結構漠然としてしまってて…」
って言う同業者は多いんだよね。
だから、メールで問い合わせをしても、
「お電話いただけませんか?」
って言われることが多いと思うんだ。
「ア」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「イ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
「ウ」といった構造の箱のふたを開けて、確認しようとする行為は、○円です。
と言った料金設定はあっても、ケースや状況とか次第では、
「どんな構造の箱してるんだろ?」
「いくつ箱があるんだろ?一個だけ?複数?」
「どれでもいいからどれか箱を開けさえすれば、絶対に宝は入ってるのかな?」
「それとも、どれかにしか入っておらず、片っ端から箱のふたを開けてみなきゃならないのかな?」
「箱のふたを開けなくても、透けた箱で、中身が無いとか、あるとかが、何となく分かるような箱なのかな?」
「それともそもそも箱自体が存在しない…ってコトは無いよね?」
とかとか、色々考えられちゃうわけね。
だからさ…
浮気調査でも同じなわけで。
「浮気の証拠押さえるのには、いくらですか?」
って聞かれても、
ある程度の情報はそれなりにあって。
あとは、この日、決行して…それなりのを押さえさえすれば終わり。
って言うケースの人と、そうじゃない人とは全然違うし。
とかとか、色々あるわけで。
一発やって終われる人のもあれば、段階を経てやって行かなくちゃ、証拠押さえるまでにはたどり着けない…って状況の人もいれば、
同じ一発勝負の調査で終れるは終われるが、警戒心が無茶苦茶な状況の人と、そうじゃない人とは違うし。
交通手段が、簡単な感じの人と、そうじゃない人とでは、全然違うし。
時間も、短時間で済む人もあれば、長時間追跡や監視をやった末じゃないと、それなりに、証拠として成立させることが出来るモノが押さえられない人もいれば。
って考えれば、
「○時間○円です。」
って答えることは出来ても、
「証拠を押さえるのに?それは、いったい、何日?何時間やればいいんですかね?」
「どんな感じの交通手段なんですか?」
「相手については分かってます?」
「警戒心はどんな感じなんですかね?」
等々、聞きたいことは山ほどあるわけで。
他にも、その人のケースによっては、
「最低限、ここまでのモノがありさえすれば、十分。」
って人もいれば、
「ここまでのモノが無ければ、意味が無い。」
って人たちもいるのね。
って考えれば、どこの探偵事務所も、
「○時間○円です。」
「○日やったら○円です。」
「○人でやったら○円です。」
「こう言った報告の仕方なら○円です。」
とかとか言った料金規定はあっても、
「浮気の証拠押さえるのには、○円です。」
何て言う料金体系のは無いハズ。
また、一見すると、高くつきそうに見えて、よくよく話を聞くと、
「削れるとこが沢山ある。」
って言えるケースの人もいれば、
逆に、一見すると単純で簡単に見えるケースであっても、これが…ホントは難易度がかなり高いモノで、
「それなりの体制を組まなきゃなんないケース。」
「一つ一つ段階を踏みながらじゃないと、目的地には到達できないと言うケース。」
もあれば、
「一旦、何らかの調査をやってみて、その状況次第で、またどうやっていくべきか。」
って感じに、
「一歩一歩、調査そして検討を…ってことを行いながらじゃないと…」
って言ったケースの人たちもいたりする。
どれもこれもが全然同じなわけが無いのよね。
って言うか、みんな、全く同じ職業で、みんな同じように行動してる人ばかりなわけ無いでしょ?
どの人たちも、「十人十色」なんだからさ。
要は、その人のケースや状況によって、組み合わせて…料金見積もりとかってモノが出来るものなんだよね。
身元にしろ、行方所在にしろ、証拠収集のにしろ何にしろ、そんな単純じゃないから。
逆に、安易に算出できるモノなら、すぐにでも答えられるよ。
「このテレビ、いくらですか?」
的な問い合わせなら、
「このテレビは、○円です。」
って感じにね。
でも、8,9割の人が、状況も経緯も何も分からず状態の中、大なり小なり、
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
「浮気の証拠押さえるのには、いくらですか?」
って感じの問い合わせの人が多いんだけど。
それはそれで全然僕としては問題ないんだけど。
ただね、僕がそれなりのことを聞こうと思っても、
「とにかくいくらなんだ。答えろ!答えないってコトは、悪徳ってコトだな。」
「何でいちいち聞かれなきゃなんないわけ?それよりいくらかすぐに言え!見積もり出せよ!」
って人たちや、メールだったら、見積もりだすために、こっちからちゃんとした見積もりだすための質問をしても、音信不通や無視の人とか、色々いるんだよね。
って言うか、見積もりを出す際、
「詳しい状況の把握」
→「状況に合わせた、調査方法や体制とかの検討」
→「調査方法や体制とかの決定」
→「○日間、一日辺り○時間を○人で、こんな感じでやるので…ってことで、○円ですね。あとは経費は対象の動き次第だ方だから…ってとこですかね。」
ってなるわけで。
あと、ウチの場合だと、対象の動きとか次第で、報告の仕方を依頼者と話し合って、変更とかもやったりもするし。
だから、同じようにやっても、状況次第では、料金を下げたりってコトもやってるし。
って考えれば、この最初のとこでの
「詳しい状況の把握」
ってモノが、出来なければ、効率の良いやりからも、このケースに適したやり方も、何もこっちは頭に浮かばないわけで。
病気になって、病院に、
「咳してる。治して欲しい。いくら?」
ってメールとかで、言われても、
インフルエンザなのか、季節性のモノなのか、ストレス性のモノなのか、色々考えられるわけで。
だから色々問診とかってあるハズでしょ?
大体の人たちは、病院に行ったら、
「何か、咳が出て…」
って言うことで行っても、
「いつから咳が出るのか?」
「熱は無いのか?」
等々、病院に行けば、問診したり、診察したり、検査をしたりするわけで。
で、どう言った病気であるとか状態であるのか判断をして、
そこで…治療法を検討し、そこで治療を始めたりするでしょ?
それと同じなんだけどな…。
それにね、実際に調査…って事になっても、追跡にしろ、張り込みにしろ、撮影にしろ、そんな単純でも安易なもんでも無いんだから。
だから、
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
「浮気の証拠押さえるのには、いくらですか?」
と言った問い合わせであっても、特に問題は無いのよね。全然問題は無いの。ただ、
その後は、様々なやりとりがあって、お互いの認識と、持ち得てて、どちらかしか知らない情報の共有化や共通化を行う作業をして…
そこでようやく調査方法の決定し、調査の見積もりを出すことに。
だからこれらの一連の作業や流れは、僕に言わせてみれば、安く効率良く済ます為の絶対条件でもあり、必須作業であると思うんだ。
逆にいえば、これらを省こうとするのって、
「この人、ちゃんと調査をやる気無いのかな?」
「ちゃんとした結果を得ようとする気無いのかな?」
って、僕は思うんだ。
「ある人物の住所を調べて欲しい。いくらですか?」
「浮気の証拠押さえるのには、いくらですか?」
と言った問い合わせであっても、特に問題は無いのよね。全然問題は無いの。
ただ、面倒であっても、それなりに相互の質問のやり取りって行為なくして、まともな調査結果にはたどり着けないの。
だって、「調査」は、そんな甘いもんでも無ければ、そんな単純じゃないから。
なんだろな?
最近、色々話をするって事を、物凄く嫌がる人が増えてる。
また、物事を、安易にとか、単純化したり、決めつけ的な発想になりがちな人たちが増えてる気がする。
また、せっかちな人や、一方的な感じの人、井の中の蛙的な人…とか。
って言うか、精神的に追い詰められすぎてしまい、結果、想像力が乏しくなってしまってるのかな?
基本、調査には、様々なケースを想定することが出来ないと、とっさの行動には対処できない。
それを可能にする為には、「想像力」って言うモノも欠かせないのよね。
色んなことが想像想定さえ出来ていれば、事前に対処法も考えておくことが出来るわけで。
単純化、決めつけ、一方的…とかとかの状態では、想定外のことが起きてしまえば、どーにもならなくなってしまう。
折角のチャンスは台無し。一回のチャンスを台無しになるだけならまだマシ。
全てを取り返しのつかない水の泡…状態にでもしてしまったら、いくら嘆いても何ともなんないのよね。
だからこその、最初の
「詳しい状況の把握」
「状況に合わせた、調査方法や体制とかの検討」
「調査方法や体制とかの決定」
って、物凄く重要なんだよね。
実は、「この段階から、全ての調査は始まっている。」
とも言えるくらいなんだよね。
現場だけでなく、相談の段階…もっと言えば、その人が、
「おや?」
って思った時点から、全ての調査は始まっていると言って過言でもないのね。
そー考えれば、探偵事務所が関わる部分って、全ての中の、一部分だけ。
本調査の部分は…ほんの、全体の中のほんの一部。ちょっとだけなんだとね。
そのほんの一部のトコの為に、それまでのことが色々影響してきたりするわけで。
ほんの一部のとこを、それなりに出来るようにするために、色々と時間や労力は惜しんだらだめなんだよね。
スポーツだって、試合の本番で、上手く行けるように、様々な練習したり、様々なことを想定した練習を行ったり、ミーティングしたりするわけで。
実際にそーなるかどーかは分からなくても、そー言った場面になった場合を想定したりしてね。
こう言った状況となった場合、貴重な1点を取る為には、
どー言った動きを行って、どー言ったフォーメーションをして…
とかとかあるじゃん。
それと同じでさ。
だから結構、最初の問い合わせとか、相談とかについての時間や手間や労力とかを、おろそかにしがちの同業や一般の人たちってチラホラいるけど。
僕は、それって、違うと思うんだよね。
調査って、そんな単純なもんじゃないし、安易でも、簡単なもんでもないから。
逆にいえば、ウチの依頼者たちの中で、一番効率良く結果が得られてる人たちほど、僕とあれこれ物凄く検討に検討を重ねた結果…って感じでさ。
だから、先日、ある依頼者が言ってたんだけど、
「調査時間は、たったの1日だけで、めちゃ短かったけど…その代わり電話での打ち合わせとかに費やした時間が、ハンパ無かった(笑)」
ってね。
調査時間や効率を追求するんなら、逆に別のとこでの手間や労力は惜しんだらあかんと思うんだよね。
だって、「調査」は、そんな甘いもんでも無ければ、そんな単純じゃないから。